鞆の浦にて(2)~大伴旅人

おサル

2010年01月01日 10:54

   吾妹子(わぎもこ)が
    見し鞆の浦の
   むろの木は
    常世にあれど
   見し人ぞなき

   鞆の浦の
    礒のむろの木
   見むごとに
    相見し妹は
   忘らえめやも
                         <大伴旅人>







鞆の浦は、古来からの重要港で、特に風まち潮まちの港として栄えました。

大陸との交流もこの地を経由して行われました。

万葉歌人でもある大伴の旅人は、福岡県太宰府市にあった大宰府に赴任後の帰路、妻と一緒に見たこの地のむろの木を見て亡くなった妻のことを偲び、上の2首の歌を詠みました。

旅人が詠んだ、むろの木と思われる木は、もう存在していないそうですが、対潮楼南側の道路わきには観光用に、むろの木が雌雄二本植樹されていました。



旅人が詠んだ木も、雌雄二本のむろの木だったのでしょうか。

対潮楼


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